上海レポート〜三日目〜


作成:俊祐、吉野


                              


 天候 晴れ(今日は珍しく風が強い)

am9:00     ホテルのロビーに集合

am9:20     SPSの車内に乗車(門馬さんの案内)

am10:30    SPS到着

am10:40    質疑応答開始

am11:00    SPS工場見学

am00:00    SPS食堂にてワーカーズランチをいただく

am00:30    質疑応答再開

pm1:10     SPS出発

pm2:20     JMAC到着

pm2:30     関田さんによるJMACの説明開始

pm3:50     説明、質疑応答終了

pm4:00     李さん滝越さん夫妻と初対面
          二つの班に別れて街を散策

pm6:15     JADE GARDENにてみんなで集合。
          田中さん、山田さんが続々と到着

pm7:05     食事開始
          ジャッキーさん青山さんも続々到着

pm9:20     JADE GARDEN出発


pm9:30     花園飯店到着(みんなでデザートなど食べながら楽しく会食)

pm11:00    みんなでタクシーに乗り花園飯店出発 

         
 その後、ホテルでミーティング後、解散





「SPS企業訪問」

1、上海代表様からSPSの会社概要を会議室でプレゼンテーションいただきました。大きな目線で中国の位置を理解したよう  な気がします。お忙しいところを有難うございました!
  その後は副代表より、工場のご案内を頂き丁寧でわかりやすい説明を頂きました。有難うございました!!

 (内容)

・従業員はのべ5895人、平均年齢は男子26歳女子24歳ととっても若い。 

・車のスピーカー部品製造が60〜70%を占める。この産業が一番重要となっている


・モットーは材料自体に付加価値をつける。
加工品を安くしても利益が得られない。

・中国に進出している企業はたくさんあるが設計開発までは難しいもの。
 モノを作っているだけに過ぎない。
 TOYOTAもその程度。しかし東北パイオニアは設計開発までも行っている。
 その点ではTOYOTAよりも優位に立っている。


・上海はメッキ塗装などの表面技術が非常に弱い、
 しかし日本は表面処理技術が卓越している


・主力取引会社はやはり車会社である

・GMは中国を拠点とし、会社を設立し消費者ではなく
 GM自体が東北パイオニアのものを買い上げてしまう。東北パイニアはすごい!


2、SPSの工場見学
    
   色々説明を頂きながら、中国労働者の労働現場を自分の目で見ることができました


  (内容)

・中国の歴史、現状の把握がないと一過性で理解するのは難しい、と感じた。日本流のマネージメントでは難しいのだ。


・中国での経済事情も理解しないとわかりにくいが、3Kと言われる仕事も女性はやる、女性中心だ。

・街の古い建物は緑化して公園に変える。きれいな町並みに変化してきている様子はわかる。

・整理整頓の概念を教えるのにもひと苦労、国によって異なるカルチャー概念はとっても一口には尽くし難いようだった。

・上海の若人もパソコンは大の得意。人口に比例して優秀な人材が多いということだ。
 図形を渡せば設計図まできちんと作ってくれる


・全部中国の工場でまかなうと日本で作れるのに何が残るのか
 という不安はある。中国以外のアジアへの目線はすでに広がっていることを実感した。


・まずはミスをなくすための指導、教育。カルチャーを変えるのは大変だ。
・すべてを公明正大に明確にして信賞必罰を明確にすることが重要だ。証拠を全て残すようにして取り締まるというのは
 表現が適切でない。



3、SPSのワーカーズランチを頂く、上海の中でもかなり質の高い料理ということだ。納得!!

 従業員みんながお昼の時間帯になると束縛から解放されように嬉しそうな顔を見せて食堂に走り出す姿が見られました。
 姿がとっても印象的でした。ワイワイと賑やかな声がして活気ずいてていました。ワ―カーズランチの味もしっかりした店と比べると酷ですがなかなかいける味でした。


4、JAMC会社訪問

     JMACの関田鉄洪さんに会社説明を頂きました

   (内容)

・中国は鶏の形をしている。その中で上海は鶏の胸と言われている。

         
・上海の建物はとっても大きい。東京タワー333mで上海の最も大きなタワーは428m

・関田さんからのお話
  1、中国の文化、民族の多様性
  2、上海の現状=面積、人口、インフラ、車社会など  
  3、中国の企業精神     
  4、日系企業の経営論、日本企業の課題


5、JADE GARDENにて食事会

   李さん、滝越さん夫妻、田中さん、山田さん、青山さん、ジャッキーさんをお食事に招待してたく さんのお話を聞かせていただきました。個々人が普段絶対にお目にかかれないような方たちと、上海の事情や国際情勢の展望、個人的な就職活動、日本との文化の違いなどを質問してそれに丁寧にお答えいただいてたいへん充実した時間となりました。料理もいままでとは雲泥の差で飛び上がるほどおいしかったです。

  
6、こうして上海の三日は終わった・・・。

 「3日目の最後の食事の地である花園飯店を出た時には、もう時計の針は11時を指していた、今夜も上海の夜は休むことなく動いている。不夜城という言葉を他の都市で使ったら失礼にあたるだろうか。眩しいほどのネオンサインが煌々と輝いている。経済発展を象徴するような大きな電光掲示板に日本の企業名が浮かんでは消え、爆発的なパワーを誇示するかのような街の鼓動も初日と全く変わらない。今日でこの街ともお別れである。ひとりひとりがそれぞれこの旅で経験した思いやたくさんの風景を胸のうちにしまいこみ、ホテルへと向かうタクシーに乗り込んだ・・・。」



 SPSのご好意により決して外へは公開しない工場の内面の様子を見学させてもらったのは本当に意義深いことでした。実際に作業をしている横で、上海の労働者が働いている姿を目の当たりにするのは本で読むより写真で見るより、テレビで聞くより、何より一番説得力がありそして僕たちの胸の奥に深く刻まれました。自分たちと同じような年代の人たちが言葉ひとつ発しず、家族のためにそして自分のために懸命に働く姿には胸打たれるものがあり。その工場では人的にも物的にも管理システムが完璧で驚きのあまり僕たちには発する言葉がなかったです。労働者の大部分は女性であり、日本なら化粧や服など一番お洒落をしたい年頃ですが、しかし現代風の茶髪はほとんどおらず、髪型もたいして気にかけていない様子でした。さすがに僕は何だか文化が違いすぎていたたまれない気持ちになったがよーく耳や指の先を見つめるとそこにはキラキラと光るものがさんさんと輝いていました。それらはピアスやリングに他ならず。僕はフッと安堵のため息を洩らしました。「やっぱりどこの国も同じなんだ。女性は自分はキレイでありたいと思うものなんだ」

 中国の街全体を歩いてても5年前に訪れたときとあんまり変わっていない印象を受けました。栄えている場所は本当に日本の都心のようだし栄えていないところは思わず違う時代に飛び込んでしまったのかと錯覚するぐらい街並みがすさんでいました。しかし少しは物事を深く考えるようになった僕は5年前では思いもよらなかったことが頭に浮かびました。それはさびれた街並みの中で僕たちに執拗にモノを買うように迫ってくる人たちや露天でぎゃーぎゃーわめく店主も上海の人々はみな自分の生活の時間軸を持っていることです。誰にも邪魔はされないし、誰かに決められた時間軸で動いているわけではない。日本の営業マンのようにノルマが課せられるわけではなく、本日の売り上げにビクビクするわけでもなく、自分の思うがままに働いている。売れなくて暇そうにしているが日本のような悲壮感は全く漂っていない。ただ客が来たらここぞと言わんばかりに、その一つの商品を売ることに全力を注ぎ込む。そしてなかなか諦めず執拗に迫ってくる。この姿を見てさすがに頭の中をひっくり返されたような大きな衝撃を受けました。これこそ商品を売るという本当の姿なのかな〜とついつい思ってしまったものです。

 何はともあれ上海旅行の3日目も誰も体調を壊すこともなく事故にあった者もいませんでした。朝から普段では絶対にできないような経験をし、みんなたくさんの刺激を受け、中国と日本の文化の違いも痛いほど分かり。露天で品物の値段を値切る方法もみんなだいぶうまくなったみたいです。上海の田舎町から都会のあらゆる都市の部分も目の当たりにしてきて。文化や貧富の格差の大きな違いにももう戸惑うことはないでしょう。日本に帰っても誰にも臆することなく上海と日本の違い、上海はどのような進展を遂げていて、どのような街並みへ変わっていくのかを友達や両親に話すことができるだろうとおもいます。夜は現地の日本と大先輩たちと楽しく談笑し、久しぶりの日本語ばかりが飛び交う会話で自然とみんなの体も気持ちもほぐれていったようです。朝からずっと緊張の連続で旅行3日目ということもあり、さすがにみんな疲労はピークに達していますが、しかしどの顔も今まで、そしてこの機会を逃そうものならばこれからも絶対に一生できないような経験をしたことによる満足感と充実感で満たされていました。