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活動報告〜国立あおやぎ苑〜


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介護老人保健施設 国立あおやぎ苑

1、始めに 
 東京都は老人保健施設の整備が遅れている。そこに住む高齢者やそのご家族のため、地域に密着した、明るく家庭的な雰囲気の施設を開業しよう。このような思いを胸に国立あおやぎ会は、平成10年10月、介護老人保健施設「国立あおやぎ苑」を開業。開苑以来、老人保健施設として地域住民の介護に伴う諸問題に対して、親切、誠実、積極的な対応を心がけ、施設利用者が自立した生活を送れるよう支援し、在宅復帰を実現してきた。
基本理念
一、質の高い介護
   一、親切で徹底したサービスの提供
一、地域に貢献
一、役・職員の生活向上

2、あおやぎ苑の役割
@、総合的なケアサービス施設として
利用者の望まれる日常生活の介護、ADL向上のためのリハビリテーションに合わせて毎日の生活が楽しくなるよう様々なリクリエーションを行っている。
A、在宅復帰施設として
明るく家庭的な雰囲気の中で、利用者の意思と人格を尊重したサービスを提供し、ショートステイやデイケアなどの機能を活かし、在宅での生活に身近な施設を目指す。
B、地域に開かれた施設として
在宅介護支援事業や施設サービスの提供者との密接な連携に加え、ボランティアの方が参加するなど、地域住民にも広く開かれた施設を目指す。
C、痴呆専門棟の併設
46床の専門棟を設け、痴呆老人の方に対しては専門的な介護、リハビリテーションを積極的に行っている。

入所期間はそれまで「3〜6ヶ月で退所」が一般的だったのに対し、あおやぎ苑では期間を設けず入所者が“在宅”に戻れるようになるまでお世話をしている。認知症の方々に対しては46床の専門棟がある。リハビリに関してはPT、OT、STなどの専門職を多くし良質な介護サービスを保持している。さらに、職員自身の生活も向上させるべく、その大半を正社員とし院内保育所も設けるなどその定着率を高めている。
3、国立あおやぎ苑の施設
1階 リハビリテーション室 / 栄養室
充実した設備と経験豊富なリハビリスタッフが、専門性を発揮するとともに、他部門との連携やご家族との信頼関係を大切にしている。痴呆専門棟でのリハビリに力を入れており、要介護度の高い方から、要支援の方まできめ細やかなプログラムを実施している。(予防リハビリとしてのパワーリハビリ機器を取り入れております。)

2階 痴呆専門棟
個別のケアプランの充実、実行をしており、ADL の低下防止に努めている。口腔ケアの大切さを考え、毎食後の口腔ケアに力を入れている。フロアーレクの充実。誕生会、季節ごとのイベント等も、職員が一丸となって開催している。

3階・4階・5階 一般棟
利用者の方と共有する時間を大切にし、利用者の方の個性を尊重して、その人らしい生活ができる環境づくりに努めている。デイルームでは新聞、図書コーナーを設置し、行事においては、苑外での花見、そうめん流し、ラーメン祭り、板前さんを呼んでのお寿司会、パンづくりと趣向をこらしている。

実際に太田先生に苑内を案内して頂きましたが、苑内は非常にゆとりのあるスペースで、その中でリハビリに励む方や、カラオケをしている方などが印象的でした。また、「納涼祭のお知らせ」などイベントを知らせる掲示などがあり、心のケアにも力を入れていることをとても感じました。お話ではこのようなイベントの時には、利用者の方は非常に楽しまれるそうです。環境としては非常に良い印象を持ちました。

4、太田先生のお話を伺って
まず病気には大きく・外因性・内因性・心因性の3種類に分けることが出来る。外因性はウィルスに代表されるが、日本人死因の上位にある脳梗塞、脳卒中、などはすべて内因性、つまり老化からくる動脈硬化が原因なのである。

   血圧
   血糖値
   コレステロール
   肥満
   煙草                             
   ストレス

つまり、未病への対策としては、動脈硬化(老化)を防ぐことにあるといえるだろう!

では、いつ頃から気をつければいいのだろう?
わずかな動脈硬化は20歳には始まっているである。また、75歳以上ではメタボリックシンドロームがある人、ない人であっても、あまり状況が変わることはないそうである。
つまり〈20〜75歳までに気をつける〉べきなのである。
そして、精神とは…若い時こそ、ストイックに、そして年老いてからは自由にとおっしゃっていました。


「学生ボランティアの可能性について質問させて頂いた結果」
学生に期待出来ることは、「体力」と「生命力」ということであるそうです。逆に期待していた、話し相手ということは、学生に老人を理解することはできないし、また、老人も自分のことを分かってもらえるか不安になるそうです。なので、主に体力でサービスを与えるか、もしくは、生命力に憧れる高齢者の方のそばにいてあげるということが、できるそうです。

「心のケアについては」
前述したように、イベントの実施であったり、また音楽療法(講師を呼んでみんなで歌うなど)やアニマルセラピー、落語などを行っているそうです。
しかし、効果は見えないものであり、どれが成功したとは言い切れないそうである。

5、総括
今回初めて足を運んで現場を見てみたのですが、正直机上で考えていることとは大きく違う現実があることに気付かされました。現場はそんなに甘くなく、もし学生を派遣するのであれば、できることと、できないことというのを明確にしなくては実現不可能だと感じました。
また説明してくださった太田先生はとても優しく質問などにも受け答えしてくださり、聞きたいことも聞けたので、本当に貴重な時間を過ごすごとができました。