直線上に配置

吉祥寺新年句会(’06 1/14)



皮一枚つながり続く初昔          合谷美智子

七草の粥ほろほろと味わへり

少し酔ふ響きのなかや初神楽

 

そこはかと土の香りし七日粥        岡本 恵美

寒茜神に召されし友の母

寒き朝添い寝の恵み心地よき

 

寒稽古我に勝つやと帯締めん        小川 守正

誰ときて何を願ふや初詣

肩車はしゃぐ子の手に破魔矢かな

 

冬萌えや友と語らひ長散歩         小高 寿奈子      

お正月昔と今は違ふやう

冬木立裸身さらしつ待ちわぶる  

 

碧色の穏やかに今年も始まるや       本田 富子

元日や頬に風うけ走りをり

七草粥健やかな日々願ひたる 

 

七日粥湯気ほのぼのや今朝の膳       手塚 弘子

偉大なる冬の入日に立ち尽くす

人の世は憂きこと多し寒椿

 

街灯が浮かびあがるや雪しまき       荒井 伸吉

境内で迎へる新年あわただし

連日に人閉じ込めしぼたん雪

 

庭先に赤く染めたつ寒椿           秋山 由美

寒桜八幡宮に色添えて

うつむきて朝の陽を待つ冬すみれ

 

朝まだき音も光も地に凍むる         尾澤 由朗

寒の入り待ち合わせの顔やさしかな

寒強しつひには額に枕載せ

 

吹くほどに大地の香たつ七日粥        木村 智

はや四日ポストマン待ちわびてをり

初詣夜半の群像頬赤し






「吉祥寺さくら会二月十一日」

吉祥寺句会はいつもアットホームで楽しい句会です、何より個性派揃いです!




早春やぶらり帽子屋のぞきをり             合谷 美智

青深む香水壜や真砂女の忌

情に棹させば流るや梅真白

 

節分や鏡の中の鬼一人                  木村 智

梅東風や初心のままに苦吟をす

早春や異国土産のいと甘し

 

ゆるやかに降りたる雪の昏さかな            岡本 恵美

待ちわびて待ちわびて恋ふ今朝の梅

ぼんやりと幸運び来る梅の花

 

今どきも湯島の梅に願掛けり               小川 守生

雨戸越し早く起きてと初音かな

北国の厳しき庭の雪のひま

 

やはらかな陽射しの陰や残り雪            小高 寿奈子 

よく見れば小さき芽吹きひかりをり

在りし日の父を想ふやしだれ梅

 

校門の梅の消息尋ねけり                尾澤 由朗

時忘れ梅を真正に語りませう 

梅月下天神祈願も今日限り

 

梅の枝を友に供えて季を知らさむ             紺野 浩子

雪かきのシャベルの重さや老感ず

陽だまりに春の香りの風ぬけむ

 

朝戸出の一歩や薄氷はりはりと              手塚 弘子

ものとせず凛然と咲く雪中花

床の間に活けし早梅刻きざむ

 

節分の心にまこふ義のこころ                本田 富子

春浅しかたき蕾に近く笑む

公園に美しく舞ふ雪の華


梅ほころび靴音軽ろし小学生                 中山 真里

蕾咲きもうすぐ春とはずみをり

春の日に花がら摘みて満ちたりし

 

梅の香に病に伏せし友想う           秋山 由美 

鶯菜ひとつまみしお味噌汁     

節分の利き酒楽し福来る



次回の吉祥寺句会の御知らせ
     3月11日(土)兼題兼題「雛」
     会場;吉祥寺公会堂13:00〜